看護・医療に携わる人は『2025年問題』をご存知でしょうか?
2025年。予測される日本の看護師数と手厚い看護を必要とする患者数の需給バランスが崩れ、確実に患者の安全性が弱まります。
日本看護協会でも2025年問題を見据えた動きが進んでいますね。( 日本看護協会 会員専用ページ )
この記事では、日本看護協会が見据える動向から、気になる今後の課題4つを挙げました。
さらにそれぞれの課題に対して、批判的に考察しました。
じっくり読む時間のない人は、各画像だけでも日本看護協会の方向性がわかるような図を作成しましたのでクリック(スマホはタップ)してご覧ください。
ではまいりましょう 。
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これからの看護の動向

日本看護協会は、2025年を見据えて改革の動きを進めています。
2025年問題について:看護師・潜在看護師の離職理由を深掘りするの記事内でくわしく解説しています。ぜひ読んでみてください。
「看護職がどのように立ち向かっていくのか」
日本看護協会は看護の将来ビジョンを以下のように表明しています。
看護師の価値と挑戦について
対象となる人々をどのような健康状態であっても個人として、「医療」の視点だけでなく「生活」の視点を持って専門職としてその人をみることに価値をおく。
2025年に向けて看護は、価値は変えずに医療の提供と「生活の質」の向上の両機能について、質的にも量的にも拡大していくことに挑戦する。
日本看護協会はこのビジョンを通じて一貫して
【医療モデル】→【生活モデル】へのシフト
を強く推進しています。
背景として、「病院」から「在宅」へといった時流はもちろんあると思います。
ですが看護協会の考えを批判的に少し堀りさげると、2025年問題に対する不安、看護師確保の対策と結果が追いついていない背景があるものと推測しています。
潜在看護師の需要がますます高まっているなか、日本看護協会には「外ヅラ」ばかり整えるのでなく、早急に本気で71万人いる潜在看護師に向けた今以上の対策に勤しんでほしいと考えます。
さらに2025年に向けて看護は、価値は変えずに質的にも量的にも拡大していくことに挑戦する、と宣言しています。
これ、看護師不足への対策が上手くいかない中、よくこんなことを声高らかに宣言できるなあと思いました。なにカッコつけてんねんと。
現場の看護師が疲弊してぶっ倒れて辞めていく未来が看護協会には見えていないのか、見えたうえで「質・量拡大していくぞ〜!」なのか・・・・・
どちらにせよ、ひどい話だなあという印象です。
【看護の動向1】看護・医療のパラダイムシフト

『2025年』に向けた看護の動向。時代は「医療モデル」→「生活モデル」へ
2025年に向けた看護の動向として
「医療モデル」:今までの疾病や障害の治癒・回復を最優先する
⇓
「生活モデル」:疾病や障害があっても、地域の住まいで自立してその人らしく暮らすことを支える
日本看護協会はこのように、「医療」→「生活」へと大きくシフトチェンジしようとしています。
批判的に掘りさげますと、
患者の病状と周囲を取り巻く環境はどのようなものか?
患者の意向と行動はどのようなものか?
このあたりが明確にされておらず私的には、「看護界ってこんなことまで考えてるんですぅ〜〜。すごいでしょ〜〜〜。」という得意の外ヅラ作戦にのように思えます。
2025年に向けた保健・医療・福祉の課題
2025年に向けた注視すべき点は、
がん・心疾患・脳卒中に加え認知症を抱える高齢者が増加する。
医療・介護の需要が増大する。
国の財政に深刻な影響を与える。
このままでは保険・医療制度の存続そのものが危ぶまれる。
このように述べています。
⇓
これら注視すべき点に対して、
療養の場を「医療機関から暮らしの場」への移行
自分らしい生活を送りたいと願う人々の価値観に符合する
という見解を示しています。
少し批判的に堀りさげると、
時流に合わせたような「医療機関から暮らしの場へ」なんて宣言していますがこれは、「国の財政と病院ベッドや患者への手厚い看護に限界を感じているので在宅の方向へ」、というふうに捉えられます。
理由は私が働いている病院(二次救急病院)です。入院ベッドはほぼ毎日満床、各外来はパニック寸前の飽和状態です。
正直このまま入院治療などで手厚い医療・看護が必要な患者が増えると、看護師はじめ病院職員は疲弊に伴うインシデント・アクシデントが今以上に増えることに怯えることは間違いありません。
実際、当院の職員間でも
「何かミスを起こしてしまいそうで怖い」
「いつもプレッシャーに押し潰されそうで苦しい」
のような会話は日常茶飯事で行われています。
みなさんの施設ではどうでしょうか?同じような会話や、心の中で「疲弊に伴うミス」に怯えながら仕事をしている看護師も少なくないんじゃないでしょうか。
【看護の動向2】生活重視へのパラダイムシフト

国は、2025年までに少子超高齢社会に対応した社会保障制度を構築するために、『働き方改革』に着手しています。
医療・介護においては
高度急性機から在宅・介護まで、質の高い医療と地域包括ケアシステムの構築が図られている。
医療は、高度急性期から慢性期までの病床の機能区分や在宅医療を推進している。
介護との連携や多種職協同を強化して、「病院完結型」から「地域完結型」を目指している。
このように述べています。
少し批判的に掘りさげてみますね。
一貫して「病院」から「地域」「生活の場へ」と示している
⇓
看護協会は、エビデンスに沿った明確なアウトカムを見据えているのか?
医療者や患者の意向や行動はどのようなものか?
etc.
総じて明確なエビデンスが見えてこないのが気になります。
アピールはするものの中身スカスカ…..こんな状況になってはいないでしょうか?
日本看護協会として、潜在看護師への思いや対策はどこにあるのか?
パッと考えられることだけでも不安が大きくなりますよね。
【看護の動向3】これからの看護提供体制を考える

日本看護協会は、
看護教員数を増やすこと
看護をますます魅力ある職業とすることで人材の確保を図る
社会人や男性の看護師養成を促進させる
を掲げています。
・・・・・・・・・・・・・・
少し批判的に掘りさげましょう。
何をどう考えたらこのような方向性になるんでしょう。
「誰のための」「何のための」人材確保の提案なのでしょうか?
看護提供体制・人材確保に関する看護協会の方向性として、章の最初にこの方針を掲げることで本質(現場)からは目を背けた見解であるようにも思えます。
【看護の動向と課題①】看護人材の確保
2025年問題に向けた日本看護協会のビジョンを36ページにわたり宣言しているわけですが、本文の最後から3ページ目で初めて【潜在看護師】にほんの少しだけ触れていました。
現在働いている看護師の定着・離職率低下が最も重要である。
理由:看護は、知識や技術の経験が集積されることで能力を高めていく職種であるから。
と述べています。
【看護の動向と課題②】潜在看護師に対する看護協会の考え
約71万人にいる潜在看護師。
看護師を大量に養成し、大量に離職者を出してきた。
離職の大きな要因である「勤務環境の改善」が必要。
潜在看護師の再就業に向けては、ナースセンターや復職支援研修を受けてね。
と述べています。
「勤務環境の改善」という、超ざっくりした括りで離職理由や復帰条件を示しています・・・。
さらに、勤務環境が改善されることで、勤務条件を理由に看護を離れた潜在看護師の復帰にもつながる、と述べています。
批判的に掘りさげます。
前提として、2025年問題を捉えたビジョンであるならば、潜在看護師の復職支援に関する内容はメインに近いことなんじゃないでしょうか?
公式あるいは準公式的な扱いと思われるこのビジョンにおいて、他の宣言や対策案に比べ明らかに日本看護協会が思う潜在看護師へのビジョンは軽視されている。
しかし、潜在看護師への施策は牛歩ですが前進しています。なぜならナースセンターや潜在看護師の復職支援研修などが行われているからです。
私が潜在看護師だったころは研修などはありませんでしたから…(苦笑)
潜在看護師の復職へ向けた提案【今後期待されること】

潜在看護師は日本看護協会のいいところだけを活用しよう!
( 看護協会に対して【義理人情】はいりません!(キッパリ!) )
結論だけお伝えしますね。
知識の習得について:『本屋さんへ行こう!』可能なら『病院図書館へ行こう!』
→市販でめっちゃわかりやすく、最新の知識が学べる本がたくさんあります
(このサイトで書籍の紹介などができるようになれば、厳選してご紹介する予定です)
→基本的な内容がほとんどです。情報が古く、視覚的にも「読みたい」と思えない。知識的な不安の解消につながる書籍ではない。(※個人の感想)
→この本に書かれている内容は、復職支援研修を行っている病院で実際に学ぶのがいいと思います。
看護技術の習得について:各都道府県のナースセンター開催の復職支援研修に参加して自信を取り戻そう!
→お住まいの地域のナースセンター、研修施設、研修内容を確認のうえ、看護スキル(知識・技術)を学んで自信を取り戻しましょう。
復職・転職について
潜在看護師の主要な復職の仕方には、「ナースセンター」や「ハローワーク」、「復職支援研修施設での勧誘」、「自力」、そして「転職サイトの活用」が挙げられます。

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はじめまして、看護師のよしと申します。元サッカー選手から水商売を経て、現在は17年目のナースマンやってます。子育て相談ドットコム( https://t.co/S0pywzKtDr )にも看護師として登録中。医師・看護師・保育士など各分野の専門家が無料でお悩み相談に回答しています。ぜひご活用くださいね😄
— よし@潜在看護師の復職応援団 (@senzaikangoshi) October 19, 2019
