いきなりですが、タイトルの答えを図にしてみました!
看護師・潜在看護師のみなさん、【ナースセンターへの届出制度】って知っていますか?
というのも、私が潜在看護師だったころにはまだ【ナースセンターへの届出制度】ってなかったんです。
とはいえ、当時からこの制度があったらちゃんと届け出をしていたかというと、たぶん届け出ていなかったんじゃないかなと思います。
なぜか?
「ただのグータラだったからです(自信アリ!)」
月日は流れて(おじさんになって)【ナースセンターへの届出制度】のことを勉強しました。
そして、「この制度めっちゃ大事やし、届け出を済ませておいて損はないやん!」ってことがわかりました。
この記事は、
潜在看護師の方(保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちながら、その仕事に就いていない方)
いま勤めている病院等を退職する看護師の方
看護師の免許を持っているが、保健師助産師看護師法(保助看法)に定められている業務以外の仕事をされている方(看護学校の教員、行政職・研究職、事務職など)
に向けて書いています。
この記事を読むことのメリット
- 【ナースセンターへの届出制度】について知ることができるとともに、潜在看護師の期間(退職から復職までの期間)にさまざまなサポートが受けられます。
- とくに看護師復帰前の復職支援研修は、基礎看護技術に不安があり技術の再確認ができます。
- 一次救命処置(BLS)研修や採血・静脈注射技術研修などの看護技術を、エビデンスに基づいて学ぶことができます。
各都道府県ナースセンターおよび研修施設により内容にちがいはあります
復職前に看護技術の不安を拭っておくことは、復帰後のストレス軽減に大いに役立つことでしょう。
その他、届け出ておくことで何かとお役立ちなサポートがありますので、この機会にぜひ届け出ておきましょう( とどけるん )
今回お伝えするお話は、私自身が潜在看護師のころに【ナースセンターへの届出制度(とどけるん)】があればよかったなという思いと、今からでも知っておいて損はないので看護師・潜在看護師の方と共有できればいいなという思いで解説しています。
では、まいります。
ナースセンターへの届出制度とは?
2014年6月の医療介護総合確保推進法成立に伴い、「看護師等の人材確保の促進に関する法律(人確法)」の改正が2015年10月に施行されました。
施行後、看護職は離職時などに住所、氏名、免許番号などの事項を都道府県ナースセンターへ届け出ることが努力義務化されました。
また、届け出の方法については個人で届け出るだけでなく、離職時の勤務先(病院、介護施設など)が離職者の同意を得て代行し届け出ることも可能です。
離職時などに届け出た看護職の方へ都道府県ナースセンターが離職等の状況に合わせた支援を行うことで、看護職としての切れ目のないキャリアを積むことができるよう支援を行います。
都道府県ナースセンターは、法律に基づいて都道府県知事が指定する、看護職員確保の公的な拠点です。
ナースセンター届出制度の目的
- 日本看護協会が危惧している団塊の世代が75歳以上となる『2025年問題』には、看護師が約196~206万人必要と推計されています。
- 少子化が進む中で看護師の人材確保を進めるためには、潜在看護師の復職支援が必要となっています。
- このため、平成27年10月から新たな届出制度(届出は努力義務)が始まりました。
日本看護協会としては、届出情報をもとに都道府県ナースセンターが離職中の看護師等の方となんとかつながりを保っておきたいこと。
届け出た看護師・潜在看護師にとっては、それぞれの状況に応じて復職に向けた研修や無料の職業紹介、相談員によるアドバイスや情報提供等の支援が受けられるというメリットがあります。
都道府県ナースセンターへの届出の対象者
いま勤めている病院等を退職する看護師の方
看護師の免許を持っているが、保健師助産師看護師法(保助看法)に定められている業務以外の仕事をされている方(看護学校の教員、行政職・研究職、事務職など)
潜在看護師の方(保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちながら、その仕事に就いていない方)
届出のタイミング
病院等を離職した場合
(病院等: 病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、指定訪問看護事業を行う事業所)
保健師、助産師、看護師、准看護師の業務に従事しなくなった場合
免許取得後、直ちに就業しない場合
平成27年10月1日時点で、業務に従事していない場合
届出の項目
氏名、生年月日、住所
連絡先に関する情報(電話番号や電子メールアドレスなど)
看護師等の籍の登録番号と登録年月日
就業に関する状況
※届出事項に変更が生じた場合は、届出事項の「変更登録」を行ってください。
届出の流れ
インターネットを利用しての届出となります。
- お手持ちのパソコンやスマートフォンから、看護師等の届出サイト「とどけるん」へアクセス
- 必要事項を入力する
※書面での届けでも可能です。お近くのナースセンター[PDF形式:345KB]にお問い合わせください。
届出提出による3つのメリット
1.復職支援研修
離職期間が長いため最近の看護動向や看護技術への不安が大きい
職歴が短いため、自分に基礎的な看護スキルがあるのか不安
などの理由から看護師への復職に不安がある方を対象に、潜在看護師から看護の仕事への復帰を支援する研修です。
研修日程/内容
研修日程や研修内容については、各都道府県ナースセンターより、各研修会や研修施設をご確認ください。
- 看護の動向、看護倫理
- 看護基礎技術
- 救急蘇生・一次救命(BLS)など
- 医療安全・医療事故
- 感染管理
- 薬剤について
といった内容を、数日間に分けて研修します。
当院の看護師で参加経験ある人に聞くと、「看護技術に関しては役立った」と言っていました。
また当院は研修施設でもあり、中の人として研修を見ることがあります。
潜在看護師のみなさんは、ほんとに必死で一生懸命復職支援研修を受けていらっしゃる姿が印象的です。
病院側としてはやはり、復職支援研修をとおして潜在看護師の復帰を囲い込みたい思惑があるのが見てとれます。
当院のような研修施設で復職支援研修を受けると、病院案内の最中に「ぜひ、当院で一緒に働きましょう」のような声かけ・説明が入ります。
ですが復職をお考えで支援研修に参加された潜在看護師さんは、「復職先=復職支援研修先の病院」だけではないことを、冷静に見極めたほうがいいでしょう。
2.看護・復職なんでも相談
電話やお問い合わせメール、ナースセンターへの来所にて、看護に関するとを相談することができます。
一度あなたが在住されている地域のナースセンターでも、看護や復職に関する相談ができるのか問い合わせて確認しておくとよいでしょう。
3.看護師等無料職業紹介所【eナースセンター】
「看護師等無料職業紹介所【eナースセンター】」のサイトを活用して、看護のお仕事・復職探しが行えます。
eナースセンターはわかりやすくいうと、「ハローワークの看護師専用版」です。
気になる求人の特徴は?
eナースセンターの求人は、100床未満の比較的小規模な病院や診療所の割合が多くなっています。
理由は、eナースセンターは手数料はかかりません。そのため多くの予算を捻出しにくい中小規模の病院が求人に出しているケースが多いです。
501床以上の大規模病院の多くは、看護師転職サイトなど民間の人材会社を利用しています。
理由は、大規模病院は転職サイトに手数料を払ってでも確実に採用することを優先しているからです。
eナースセンター利用者の声
「検索システムが使いにくかった」
「希望に合う施設が見つからない」
土日や日勤後の夕方以降に利用したくてもやっていない」
「公共機関なので仕方ないが、「職員(相談員)があまり親身になって対応してくれない」
というような口コミが多くあります。
看護師転職サイト利用者の声
一方で、看護師転職サイトのほうが評価が高い理由として、
「親身になって話を聞いてくれる。引き出してくれる」
「対応が素早い」
「希望や条件に合う施設をとことんまで一緒に探してくれる」
休日にも相談できた」
「などの声があります。
eナースセンターと看護師転職サイトの違い
eナースセンター
税金で運営されているということもあり(あるからなのか)、酷な言い方ですが大筋間違いではないこととして、あなたの復職が成功しても失敗しても収支に影響はありません。
看護師転職サイト
施設から紹介手数料を得ることで運営されています。
会社によって差はあるが、プロのアドバイザーとともに、あなたの希望に合った好条件な施設へ復職(転職)させることを明確な目的としています。
これも会社によって強みや弱みがありますが、あなたの条件に合った(あるいは最も近い)施設を積極的に提案してくれます。面接時などに自分からは言い出しにくいが、生活がかかっている者として大切な給与面の交渉もやってくれます。
なぜここまでやってくれるのか?・・・
それは、あなたの年収の20%と同額を、病院から手数料として得ることができるからです。
看護師転職サイトは数多くありますが、安心面・親身さ・希望に合った好条件などから厳選しておすすめの転職サイトを3社載せておきますね。
よしの看護師転職サイトおすすめ3社
- 利用者満足度96,2%!最も選ばれている転職サイト。休暇や残業など、潜在看護師さんやママさんナースには特にうれしい病院の内部事情などが得やすい
看護roo!
を、利用してみてはいかがでしょうか。
各社すべて無料で30秒〜1分ほどで登録できますので、3社とも無料登録しておいて情報を見比べるのがいいかなって思います。(完全無料)
しかし、複数登録すると、頻繁に連絡がきて「ウザい」と感じるかもしれません。そんな時はソッコーで担当を変えてもらったり「頻繁な連絡はなしで」と相手方に伝えればOKです。
オススメする3社は、会社ぐるみで頻回な連絡をするようなところではないので(経験談)、もし1社だけと決めて担当者の連絡が頻回だったとしても、担当者を変更することで「めっちゃいいアドバイザーさん!」ってなりますのでご心配なく。
条件の調節や交渉
給与面や内部事情
煩わしい履歴書や面接対策の準備
これら面倒なことをフォローしてもらうことで、大きな肩の荷物を「よっこいしょ」と下ろしましょう。
ナースセンター届出制度のよくある質問Q&A【当院看護師の質問あり】
届出の対象は看護師だけでじゃないよ。保健師とか助産師、准看護師の免許を持っている方についても離職などした場合に届出対象になるねん。
届出の対象者となります。現在看護の仕事をされていない場合、ナースセンターでは個々の事情も配慮した上で、看護師等の免許が活かせるよう支援してくれます。
免許未取得のうちは、届出はできません。
ぜひ届け出てください。法律上は年齢による制限はありません。
次の就職先が決まっている場合でも届出の対象になるよ。
法律的にも病院を離職した場合(辞めた場合)って届け出ることになってるねん(努力義務)。
届出をお願いします。一般の企業で仕事をしているなど、看護師等の免許を持っている方で看護師等の仕事をしていない場合には届出の対象となります。
任意で届出することは可能やで。だけど看護師として仕事してる間は届出する義務はないってことも覚えといてな。
日本国内にお住まいでないため届出の必要はありません。将来、帰国することに備えて任意で届出を行うことは可能です。
1人ひとりの状況に応じた情報提供とか復職支援をするためのものやで。
復職支援が必要かどうか確認するために、なんやかんや※項目を作ってどんな状況か届出してもらってんねん。
※なんやかんや→「就業していない、就業していないが求職中、就業中・就業予定(看護師等)、就業中・就業予定(看護師等以外)、学生、その他」の項目。
努力義務なんで届出なくても罰則とかはないよ!
まあ看護協会としてはいろいろ囲みたいんで、できれば対象者全員に届け出てほしいと思ってるはずやけどな。
でも強制的に届け出るものじゃないし「個人の判断」で決めて大丈夫やで。
ただどんな制度か勉強してちゃんと考えて答え出さなあかんで。
個人的には届け出をやっておいたほうがいいかなって思ってる。いざって時にスキル学べたりするからね。
届出内容の変更の場合は代行届出はできません。
法律上、「病院等を離職した場合」は届け出るよう努めることとされています。再就職後、再度、離職された場合には「就業に関する状況」等の情報の変更をお願いします。
届出サイトの「 とどけるん 」に掲載している、ナースセンターのプライバシーポリシーに基づいて管理されています。
また、法律上、ナースセンターの職員等には業務に関して知り得た秘密を守る義務が規定されています。
情報発信や復職支援に使われるねん。その他の目的や外部で利用されることはないねんて。
まとめ
ナースセンターへの届出制度について、さまざまなサポートがあることを知れたんじゃないでしょうか。
とくに看護師復帰前の復職支援研修による、基礎看護技術への不安軽減のための研修は、ナースセンター届出制度の大きなメリットの1つですね。
さらに、一次救命処置(BLS)研修や採血・静脈注射技術研修などの看護技術をエビデンスに基づいて学ぶこともできます。
ぜひ、活用してみてください。
では、素晴らしい看護師ライフが過ごせますように。
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