看護師・仕事

【勉強会で使える】ナラティブアプローチとEBM看護|私の事例研究

【勉強会で使える】ナラティブアプローチとEBM看護|私の事例研究
よし
よし
  • 「ナラティブ」ってなんですかぁ〜?
  • 病棟勉強会で「ナラティブアプローチの看護」をテーマに話をするよう指示を受けて困っている。
  • 「ナラティブとは?」基本的なことから事例まで学びたい(学んどかなあかん)

といった看護師の悩みを解決する記事になります。

 

この記事は、

よし
よし
「勉強会のテーマで『ナラティブアプローチ』について話すように指示されたけど、知っているようで知らんわ〜」

といった看護師に向けて書きました。

 

ナラティブアプローチの看護を用いた私の事例研究も示しながら、「ナラティブアプローチの看護とエビデンス看護」についてくわしくお伝えします。

できるかぎりあなたが勉強会で使えるポイントを重点的にわかりやすく解説しますね。

こんなお話をします

1.ナラティブってなんなの?

2.ナラティブの特徴って?

3.ナラティブアプローチを提唱したのは誰?

5.【車の両輪】の重要性について

6.【事例研究】ナラティブアプローチの視点で取り組んだ私の研究

7.どんなに忙しくても患者さんとの良質な対話を継続することが大切であり、そのための手法として【ナラティブアプローチ】があるんだよ〜。

8.「楽しく」「自信をもって」勉強会でプレゼンしよう!

9.看護師仲間として、ともに歩んでいきましょう。

また上記でなぜ、ナラティブアプローチだけでなく”エビデンス看護”も含めたのか?それには理由があります。

「エビデンスとナラティブは対極にあって交わることはない」という考えをもつ医師や看護師がいますが実はそうではなくて、【エビデンスとナラティブは統合されるものなんだよ】

という考えを、勉強会を控えたあなたに知ってほしい意図があるからなんです。

 

このあたりの根拠も読みすすめていただくと「なるほど〜」って理解できるはずですので、楽しみにしてくださいね。

逆に批判的に読みすすめるのもアリですよ〜(クリティーク)。

 

難しい論文などは、さらに深く学びたいと思った看護師だけ探究すればいいかなあって思っています。

よし
よし
病棟勉強会の1つのテーマとしてプレゼンするなら本記事の内容で十分です。

なんやかんや言ってくるスタッフがいれば「これ以上を知りたい方はご自身でどうぞ」くらいのスタンスでいいと思います。

どれだけ時間と労力をかけて頑張ってもツッコまれるかもしれませんからね(笑)。

 

ぜひ、本記事とあなたが調べたいことをまとめて、勉強会では「楽しく」「自信をもって」プレゼンしてくださいね!

 

では、まいりましょう 。

私がナラティブと出会った斎藤 清二先生の書籍を紹介します。

ぜひお手元において、理解を深めてください。

記事中の僕の事例紹介でもお伝えしている臨床においての「両輪」について、詳しくそしてわかりやすく解説しつつ、ナラティブとエビデンスの両者を統合した次世代の臨床能力を具体的に提案している書籍です。

看護の動向と今後の課題
看護の動向はこれからどうなるの?気になる今後の課題4つ20205年問題を控えた日本の医療界。看護の動向はこれからどうなるのでしょうか?日本看護協会が表明している2025年に向けた看護の挑戦・将来ビジョンをもとに、看護師不足や潜在看護師に対する看護協会のスタンス、「医療」から「生活」へのパラダイムシフトなどについて考察しています。気になる今後の4つの課題を掘り下げました。...

 

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ナラティブアプローチとは?

よし
よし
ナラティブってなんなの?

ナラティブとは?

「Narrative Based Medicine(NBM)には唯一の正しい理論などない」という見解を導く.NBMを実践しようとする者が,それぞれの置かれているコンテクストに応じて,自分なりのNBMの理論や定義を構築し,主張することは禁じられるべきことではなく,むしろ推奨されるべきものである

(引用):斎藤清二:NBMの理論 診断と治療 Vol.94-No.2,2006(75)

斎藤清二は日本でのナラティブに関する研究の第一人者だと思います。

齊藤は、「ナラティブには正しい理論などはなく、ある意味自由度が高いものなんだと考えていいんだよ〜」と示していますね。

この考えを前提に、他の論文や書籍などを読んでいるとナラティブとは、

「医師や心理学の領域で用いられ、患者の思いや考え方を語りをとおして理解し、問題点やその解決を図ろうとするもの」

として浸透してきました。

 

さらに、2010年にロバート・テイラーというアメリカの家庭医療学の重鎮が書かれた本の中にナラティブの定義があります。

この定義を齊藤が意訳した文献(一部抜粋)がこちらです

「患者さんが自分の人生の物語を語るのを助け,壊れてしまった物語をその人が修復することを支援する臨床行為,これをNBMという」ということです.この定義に含まれない作業ももちろんあるのですが,ここには非常に大事な点がたくさん含まれています.第1に,NBMで一番大事なのは,NBMとは単なる理論や概念,あるいは研究法などではなくて,それは「臨床行為」だということです

(引用):斎藤清二:実践における事例研究の意味を問い直す 作業行動研究 第20巻第1号

 

ナラティブの特徴とは?

よし
よし
ロバート・テイラーが唱えた「ナラティブの基盤となる4つの特徴」を簡単にまとめました。
  1. 病いは、患者の人生と『生活世界」という、より大きな物語において展開するひとつの「章(ehapter)」と見なされる。
  2. 患者は物語の語り手であるとともに主体として尊重される。
  3. 医学的な仮説、理論.病態生理は.社会的に構戒された物語であるとみなされ、常に複数の物語が共存することが許容される。
  4. 患者と臨床家の対話から浮かび上がる新しい物語は治療的な影響(impact)をもたらすことが期待される。

 

よし
よし
僕は、ナラティブというのはEBMと相対立するものではなく、EBMとともに患者さんへアプローチするものであって、ナラティブを取り入れることでむしろEBMを補完する位置づけにあると考えています。

 

次の章では、ナラティブアプローチと看護について解説しますね。

 

ナラティブアプローチと看護

いろいろな場面で用いるこことができるナラティブアプローチ。この記事では看護との繋がりに特化してお伝えしています。

病棟の勉強会で行われているナラティブアプローチの看護

よし
よし
ナラティブとは、看護体験を語り、共有するという目的から「ナラティブ」を院内研修や教育に取り入れる施設が増えてきていますよね。

ナラティブとは自らの看護を言語化して語ることで、そのときの看護ケアや実践場面を追体験し、客観的に見つめなおし、新たな発見や気づきができる手法。

という解釈のもと、看護師の教育によく用いられています。

また、その語り手の看護師の経験を聞くことで自らの体験と重ね合わ、イメージ化しやすいという考えのもとで共有の学びの機会ともなるため、病棟の勉強会のテーマとしても扱われやすい手法です。

よし
よし
忙しいのに自分の看護を振り返って、「語り」として文字にして、勉強会でみんなの前で話すとか嫌やなあ〜(心の声..笑)

パトリシア・ベナーとナラティブアプローチの看護

誰が看護実践の語りとその経験を共有することを説いたのでしょうか?

よし
よし
ベナー看護論でおなじみの【パトリシア・ベナー】です

ベナーは、「実践に関するナラティブは、経験学習から得られる臨床的な思考・知識とともに、その実践の本質・内容を明らかにする。実践者にとってナラティブは、自分の実践を理解するための資源であり、同僚の臨床知識を理解し共有するための資源である」と述べました。

(参考):エキスパートナースとの対話、照林社、P. 149、2004

 

ベナーが述べたことをもう少しわかりやすく言うと、

「1人の看護師が看護実践から得た知識(看護実践知)を認識して共有することが、語り手と聞き手の互いの学びとなる。

ということだと解釈しています。

病棟勉強会で使えるナラティブアプローチの看護【Q&A】

ナースの実践知を語り手として伝えることを提唱したのは誰だと思いますか?”看護師なら必ずと言っていいほど知っている名前ですよ〜”

【パトリシア・ベナー】ですね。

 

よし
よし
もしかするとあなたに「ナラティブを書きなさい」って指示する先輩も、「誰が提唱したものなのか?」「なぜナラティブを書くのか?(目的)」を知らずに言ってきてるかも知れませんね(笑)

 

次の章では、ナラティブアプローチの看護を用いた私の事例を用いながらさらにくわしくお伝えしますね。

 

【事例研究】ナラティブアプローチを用いた私の看護研究を紹介!

ナラティブアプローチの看護|ナラティブ・エビデンス能力

実際のスライドも公開しながら、「患者中心の医療」をEBMとともに対話からの聞き取りで繋ぎ合わせることで創造・具現化していくことが、患者自身の主体性を生んだ事例として知ってもらう

医療者は、医療者の視点で、根拠に基づいた標準化された視点(EBM)「だけ」で問題を捉えがちである。これに対し「患者中心の視点」で捉えると、同じ問題はどう見えるだろうか?
実際に「患者中心の視点」で看護をすすめると、どのような結果が得られるだろうか?・・・という視点(発想)。

あなたのイメージが今以上に湧くように、ナラティブアプローチを用いた私の看護研究を紹介しますね。
某学会で実際に発表し多くのレスポンスがあった内容ですので、あなたの勉強会でのプレゼンの一助になると思いますよ。

【事例】ナラティブアプローチの看護

よし
よし
では私の研究発表を例に見ていきましょう!

スライド写真は無断で利用できません。利用希望があれば必ずこちらからお問い合わせください。

背景

(事例)ナラティブアプローチの看護|背景
  1. 事前に行った患者満足度調査より、当外来での「来院から診察までの動線の改善を求む患者の声」が多いことが明らかになりました。

  2.  この声に対して、ナラティブな視点を持って患者主体の看護を実践することで具体的な改善に取り組みました。

  3. その結果、患者の声を具現化することができました。

 

目的

採血の待ち時間や検査室への動線短縮に取り組むことで、患者の声を具現化する

本研究を進めるにあたり最重要視したものが、ナラティブな視点をもつということでした。

よし
よし
ナラティブなアプローチ前後(満足度調査の前後)の満足度を比較し、改善がどれくらいあったのかを検討した事例です。

 

斎藤は、「 NBM(Narrative Based Medicine) とは、患者の主観を全面的に尊重し、医療者と患者との会話の中から、新しい物語を創造していくことを重視する医療」

(中略)

さらに斉藤は、「NBM とEBM(Evidence Based Medicine) は,「患者中心の医療」を実践するための「車の両輪」であり,医療者と患者の実践の現場において統合されるものである」と述べ
ています。

斎藤清二 2005 「患者と医療者の物語」~Narrative Based Medicine の意義 『理学療法学』32(8):445-449。

 

上記の論文をわかりやすく図で表すとこのようになるのではないでしょうか。(事例)ナラティブアプローチの看護|目的

NBM とEBM は『患者中心の医療』を実践するための『車の両輪』であり,医療者と患者の実践の現場において統合されるものである」

といえますね。

 

よし
よし
患者の声を具現化するためには、この歯車がうまく噛みあうことが重要なんだよね!

 

本研究に当てはめると、NBM の実践においては、患者との話題として患者満足度調査の結果などのEBM を取り込みながら進める、ということになります。

それがこちらのスライドです。
(事例)ナラティブアプローチの看護|目的その2

上から順に・・・

  1. 患者満足度調査の結果をもとに
  2. 患者中心の対話をすすめ
  3. 患者の声の具現化するぞ!

という仮説のもとで研究を試みました。

 

ここにナラティブな視点、【車の両輪】をあてはめると・・・

(事例)ナラティブアプローチの看護|目的その3
  1. 満足度調査の結果というエビデンスを取り込みながら・・・
  2. 患者中心の、ナラティブな視点での対話を継続することでエビデンスと繋ぎ合わせ・・・
  3. 患者の声を創造し、具現化に取り組むぞ!

というものです。

 

結果

(事例)ナラティブアプローチの看護|結果

上記のスライドが、改善前後の満足度調査の結果です。

 

グラフでは少し見づらい部分もあると思いますので、こちらの図で説明しますね。

(事例)ナラティブアプローチの看護|結果その2
よし
よし
改善後の満足度が向上しました。 

 

考察

(事例)ナラティブアプローチの看護|考察

この結果は、実際の動線短縮はもちろんですが、調査結果の根拠をもとに日々の患者との対話を行うことで、患者主体の思いを具現化できたからではないか、と考えます。

よし
よし
どんなに忙しくても、患者さんとの良質な対話を継続することはとても大切ですね!

 

おわりに

(事例)ナラティブアプローチの看護|おわりに

今回の試みは、たくさんある「患者のために」の看護のひとつを、ナラティブな視点・根拠をもって、患者主体で改善にとりくんだ看護実践です。

よし
よし
エビデンスのみならず、【エビデンスを統合したナラティブなアプローチ】こそが本来、私たち看護師に求められているのではないでしょうか・・・。

僕はこのナラティブアプローチな看護を通して、そう感じました。

 

「ナラティブアプローチの看護」についての勉強会で必ず伝えること7選

ナラティブアプローチの看護というと、反射的に『ナースの語り』という主任や師長もいそうですよね。

それも大事なことだけれど、

EBMとともに『ナース – 患者間』でのアプローチ手法として用いることも重要である

ってことを勉強会で伝えてみることを提案します。

ナラティブアプローチの看護に対する勉強会で伝えること7選

勉強会で伝えること7選!

1.ナラティブってなんなの?

2.ナラティブの特徴って?

3.ナラティブアプローチを提唱したのは誰?

4.看護師のナラティブな語りを提唱したのは誰でしょう?

ここは質問で投げかけるといいかと思います

なぜなら、ベナーという看護理論提唱者を答えにすることで、あなたやスタッフに身近な看護であること伝えられるから。そして【自分ごと】として考えてもらえる確率が上がると考えるからです。

5.【車の両輪】の重要性について

ナラティブだけ、エビデンスだけではなく、NBMとEBMを統合した看護を実践することが重要なんですよ〜

ってことを伝える

6.どんなに忙しくても患者さんとの良質な対話を継続することが大切であり、そのための手法として【ナラティブアプローチ】がある。

7.最後にもう一度、エビデンスを統合したナラティブなアプローチこそが本来、私たち看護師(医療者)に求められているのではないか・・・ということを投げかける

 

まとめ:病棟勉強会では「ナラティブアプローチの看護」を楽しく自信をもってプレゼンしよう

ここまで解説してきてなんなんですが、病棟の勉強会ではいくらナラティブアプローチの看護について事例も交えながら深い内容を発表したとしても、必ず「重箱のすみツッコミナース」がいるもんです。

そんな「重箱のすみツッコミナース」が突っ込んできた場合の対処法は、

よし
よし
「勉強になります!」

の一択でかわしちゃうことです(笑)。

正直、争うとめんどくさい課題がさらに降りかかってくるだけなので、サラッと流すのがいいです。

なお、僕はいっつも思いっきり争ってしまい、後悔するナースマンです(泣)。

 

大丈夫です!この記事とあなたが気になって調べた内容をまとめて勉強会でプレゼンすれば、ナラティブアプローチの看護については十分すぎるくらいですから。

 

病棟勉強会ではぜひ、【自信】と【楽しむ気持ち】をもって発表してくださいね。

 

追伸:ナラティブアプローチの看護以外でもご相談ください

よし
よし
働く場所は違えど、このブログをとおして同じ看護師仲間として、真剣に一緒に歩んでいければいいなと思っています。

ナラティブアプローチの看護だけでなく、何か看護について

  • 悩んでいること
  • 気になること
  • 知りたいこと

など、何かあればいつでも遠慮なくコメントやお問い合わせよりご連絡くださいね。

よし
よし
一緒に考えて、解決策や解決した先の未来を一緒に語り合いましょう!

 

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