こんにちは、看護師のよしと申します。
この記事では、看護師・潜在看護師が離職する理由を深掘りしていきます。
潜在看護師で将来的には復職も視野に入れている方
いま看護師として頑張りながら離職も考えている方
にむけての記事です。
先日私は下記のツイートをしました。
看護師の退職理由が結婚・出産・子育て・親の介護など、目に見えやすいライフステージの変化ばかり見てはいけないよ。
退職理由全体を眺めると、ほぼ【職場や人間関係に対する不満】やからね。
ここがフォーカスされないと『2025年問題』は抜本的に改革されないよ。 pic.twitter.com/SUppTmUDTw— よし@潜在看護師の復職応援団 (@senzaikangoshi) October 22, 2019
この記事ではツイート内容をさらに掘り下げて、
看護師・潜在看護師の【ホント】の離職理由ってなんなの?
離職理由からわかったことは?
離職した潜在看護師が再就職に向かうために必要なこととは?
2025年問題
の順に離職理由を考察します。
ではまいりましょう。
看護師が直近の就業先を離職した理由
離職経験のある看護師さん、潜在看護師さん、どれかに当てはまるんじゃないでしょうか。
退職理由 | |
1 | 妊娠・出産 |
2 | 心身の健康状態(身体的理由) |
3 | 子育て |
4 | 時間外労働(残業)が多い |
5 | 医療事故への不安 |
6 | 親族の健康状態・介護 |
7 | 責任の重さ |
8 | 適性・能力への不安 |
9 | 職場でのいじめ・嫌がらせ |
10 | 同僚との人間関係 |
11 | 家事との両立困難 |
12 | 転居 |
13 | 施設の理念・方針に不満 |
14 | 上司との人間関係 |
15 | パワーハラスメント |
都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査(平成24年11月15日から12月10日)をもとに作成
看護師の離職の引き金と潜在看護師の増加
ナースセンターによる直近の就業先を退職した理由を見ると、結婚にともなう出産・育児や親族の介護など、止むを得ないライフステージの変化がありますね。
産休・育休とは名ばかりで、実際看護師として勤務していると様々な理由で容易には取得できない状況が多く、止むを得ず離職(退職)という選択を迫られることもあります。
看護師の離職理由の根底には職場や人間関係に対する不満が存在する
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いかがでしょうか?
まとめると、ほぼ【職場や人間関係に対する不満】といえます。
こうやって有能な看護師がまた1人辞めていくんですよね。
1人辞めるごとに職場の看護師の多くが、以下のような状態に陥りやすくなるんです。
1人あたりの業務量が増える
患者のケア、新人教育、大量の雑務の担い手不足
シフトに余裕がなくなる
不平や不満が蓄積されてくる
人間関係が悪化してくる
看護師は常に心身疲弊した状態へ
事故への不安を抱えながら仕事をし続ける
大きな心身のストレスにつながる
つまり、【職場や人間関係に対する不満】が看護師の離職の引き金になり、潜在看護師の増加につながる実情があるんです。
離職した潜在看護師が再就業へ向かうには?
ではこういった潜在看護師が再就業へ向かうには、どんな課題をクリアしていけばいいんでしょうか?
まずはこちらの論文(一部抜粋)をご覧ください。
看護師の離職は病院の経済的損失である。とくに経験者の離職による看護の質の低下は,新卒者採用をして定員を満たすだけでは補えない。看護師の経験年数の違いは,看護実践能力,看護問題対処行動,専門的自律性の獲得,道徳的感性の違いとして報告されており経験者の離職は看護の質に影響を及ぼす。
(中略)
新卒看護師と再就業看護師の1年以内の早期離職率を比較すると,再就業看護師の離職率(11.8%)は新卒看護師の離職率(5.5%)の2倍との報告もあり,再就業看護師の早期離職対策は大きな課題である
論文を読むと、潜在看護師の復帰が大きく期待されていることが伺えますね。
潜在看護師のみなさんは決して引け目や過度な不安を感じる必要はありません!
(このことは、潜在看護師として大きな引け目や過度な不安・焦りを感じていた、過去の自分にも伝えています)
また、引く手あまたであるはずの潜在看護師と新卒看護師の、再就業から1年以内の早期離職率を比較したデータによると、
潜在看護師の再就業からの離職率(11.8%)
新卒看護師の離職率(5.5%)
なんと2倍もの差があるんですよね。
ここから見えてくる課題として、
即戦力として期待されている潜在看護師
即戦力どころか基礎的な看護技術や知識に自信がもてない潜在看護師
という乖離が復職に踏み切れない潜在看護師の中心的な原因の1つだと考えています。
この問題を解決するためには、
潜在看護師の復職支援
+
潜在看護師の早期離職対策
が重要課題だと考えます。
潜在看護師が再就業へ向かうには、職場や人間関係に対する不満を復職支援で補う必要がある
- 人間関係が良好であること
- 労働条件が整っていること
- 自己成長が実感できること
これらを満たす対策が必要だと私は考えます。
『人間関係』と『労働条件』は再就業看護師に限らず職務継続を支える大切な要素です。
『人間関係』については、管理者が再就業看護師を支える仕組み作りや働きやすい雰囲気づくりをすることが求められると考えます。
『労働条件』については、希望と現実との乖離が起きないよう、病院説明会等や転生サイトなどを通じての情報収集を徹底するとともに、潜在看護師自身が採用面接でもしっかりと確認する必要があると考えます。
「良好な人間関係」と「自己成長が実感できる職場」への復職は、ナースセンターやハローワーク、看護師転職サイトによる調査も重要だが、何より各施設の管理者による潜在看護師を支える仕組み作りや働きやすい雰囲気作りが求められます。
潜在看護師と『2025年問題』
2025年には約196〜206万人の看護師が必要と推測されています。
具体的な根拠はこちらです。
2025年には
「団塊の世代」が75歳以上になること
国民の3人に1人が65歳以上
5人に1人ほどが75歳以上
になります。
必然的に看護が必要な人口が急速に増え、医療の提供を必要とする場面が多くなります。
2025年に必要な看護師数は200万人以上という計算になります。
平成28年末(2016年)の総就業者数は約166万人であり、2025年問題を考えると需給ギャップは埋まりません。
反面、看護師不足を解消するには看護師の人数を増やす必要があります。
しかし新規資格者がグッと増えることは現状では考えられません。
なぜなら看護学校や看護学部を一気に増やすようなことは容易ではなく、安易に増やしたとしてもプロの看護師を養成することは難しいからです。
出典元:看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査(平成29年9月現在)
これらの理由より、日本の看護師不足はさらに深刻になる恐れがあります。
今後の『2025年問題』にむけて看護職員を着実に確保するためには、潜在看護師の復職支援が不可欠になります。
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はじめまして、看護師のよしと申します。元サッカー選手から水商売を経て、現在は17年目のナースマンやってます。子育て相談ドットコム( https://t.co/S0pywzKtDr )にも看護師として登録中。医師・看護師・保育士など各分野の専門家が無料でお悩み相談に回答しています。ぜひご活用くださいね😄
— よし@潜在看護師の復職応援団 (@senzaikangoshi) October 19, 2019