そんなふうに考える潜在看護師さんも少なくないんじゃないでしょうか?
なにを隠そう、救急外来の看護を経験するまでの僕がそうでしたから〜(ザンネーン!)
学生さんや1年生がメインでやることなんじゃないの?
この記事では、救急外来における【環境整備】と【物品管理】の大切さについて、私の経験も交えてお伝えします!
- 潜在看護師さんの応援団として、少しずつ救急外来で学んだ経験をまとめながら記事にしていければいいなと考えています。
- 今回は、【救急外来における環境整備】と【救急外来における物品管理】についてまとめました。
- ぜひ!あなたのお子さんやご家族、近所の方々への力となってあげてください!
子育ての合間など、スキマ時間ができればぜひ読んでみてくださいね!
では、まいりましょう 。


【潜在看護師向け救急外来】環境整備と物品管理
救急外来って救急車で誤送されてくる患者だけを対応すればいい・・・というわけではありません!
一般外来や検査室、病棟やリハビリ室からもいつ救急外来へ患者が運ばれてくるかわかりません。
- 「いつ」
- 「どこから」
- 「誰が」
- 「どのような状態で」
搬送されてくるかわかりません。
したがって、いつ・どんな時でも・安全に・冷静に、救急外来に搬送された患者に対応しなければなりません。
安全・冷静に対応するために重要なことの1つが、【物品管理】です。
でもね、「物品管理」を疎かにしていると、素早いルートキープも全身状態のアセスメント も軽率な対応しかできません。
なので救急外来における物品管理は、とっても重要なんです!!!
物品がきちんと管理されていなければ、たとえ能力の高い看護師が揃っていてもその能力が発揮されません。
【潜在看護師向け救急外来】環境整備

救急外来では、患者の命を守るために効率よくメンバー全員が動けるようにしておかなければなりません。
そのために大切なことは物品の配置です。
検査や治療、看護に必要な物品が混在していると、わざわざあっちこっちに取りに行くことになります。
効率が悪いだけでなく、患者のそばから離れなければならなくなり危険度が増します。
物品の用途を考え使用する場所の近くにセットすることが重要なことなんです。
【救急外来の物品管理】感染防御用物品の管理
救急医療の現場では、
- ガウン
- マスク
- グローブ
- ゴーグル
- シューズカバー
など、感染防御のために装着するものがとても多くあります。
それらの物品が別々の場所に設置されていると、救急車が到着したときに素早く受け入れることができません。
オススメの設置場所
設置場所は救急搬入口の近くに設置しておくことで、救急車の到着時に素早く対応できます。
【救急外来の環境整備】初療ベッド周り
初療ベッド
私の経験ですと
- 初療ベッド→「枕・毛布・酸素ボンベ・点滴スタンド」
- 初療ベッドの下→「吸水シート・吐物専用袋・延長コード・所持品専用袋」
を設置しています。
- あれもこれもとたくさん準備しすぎると、何がどこにあるのかわかりづらくなるので好ましくありません。
- 常に設置するものを必要最小限とすることがとても大切なことです!
電気毛布やシーツなどは救急搬送の連絡が必要と考えられる場合には準備します。
また初療ベッドには、ディスポーザブルシーツは2枚重ねて敷いています。
『シーツ2枚のメリット』
- マット汚染を予防できる。
- シーツが汚染された時も除去するだけでよく、患者への負担が少なくなる。
- 救急搬送が重複してすぐに次の患者受け入れなければならない時シーツを1枚除去するだけですぐに準備ができる
救急搬送された患者の多くは、痛みなどの苦痛を伴っていますよね。
なので、衣類やシーツが汚染したときの着替えやシーツ交換はとても負担になります。
医療機器の電源コード
初療ベッドにはシリンジポンプはじめ、いろいろな医療機器を取り付けることが多いです。
医療機器には必ずと言っていいほど電源コードがありますが、初療ベッドから壁に向かって何本もの電気コードが走っていると、次のようなデメリットがあるんですよね。
『電源コードに伴うデメリット』
- 電気コードが邪魔になり、スムーズに動くことができない(コードに足を取られ転倒の危険もある)。
- 電気コードを引っ張り、医療機器を落下または破損させてしまう恐れがある。
- コンセントを何本も抜く必要があり、検査等の移動に時間がかかる。
デメリット対策として、当院の一例をお伝えします。
こうすることで、ベッドから壁に伸びる行動を最小限にすることができます。
さらに検査などで移動するときも、コンセントを抜き差しする時間を短縮することができます。
人工呼吸器やPCPS,IABPなど、患者の生命維持のために重要な医療機器は、停電や災害時に自家発電に切り替わる電源を使用するようにします。
【救急外来の物品】薬品について
救急現場では、様々な診療科の患者に対応するためとても多くの薬品が必要となります。
反面、種類が多くなればなるほど、どこにあるのかわかりづらくなります。
救急外来に必要な薬品や定数は、それぞれの診療科の医師と話し合って決定しましょう。
救急外来に救急カートを設置している施設では、
また、新しい薬品への変更や選定した薬品の使用頻度、決定した定数で不足は無いのかをチェックし、定期的に変更していく必要があります。
【潜在看護師向け救急外来】物品管理のコツ

【救急外来での物品管理のコツ】引き出し
棚などの引き出しに収納する場合はそれぞれの引き出しに何が入っているのかが開けなくてもすぐにわかるよう、外に大きく表示しておきましょう。
引き出しに収納するときは収納量が重要になります。もちろん数が少なければ必要な時に物品が不足してしまいますよね。
しかし、逆に詰め込みすぎると物品がごちゃごちゃになってしまい、どこに何があるのかが分かりにくくなります。
物品が中で引っかかりスムーズに引き出しを開けることができず、緊急時に困ってしまいます。
受け入れ準備に必要な物品が1つの引き出しに全て収納できる場合は、使用頻度の多い順に取り出しやすい位置に収納するのがよいです。
一方、受け入れ準備に必要な物品をいくつかの引き出しに収納する場合は、隣の引き出しまたは斜めの位置にある引き出しに収納するのがよいです。
そうすると、一度開けた引き出しを閉じてから下の引き出しを開けるのではなく、一度に両手で必要な引き出しを開けることができます。
お家の机や洗濯物収納にも応用できそうですね(^^)/
【救急外来】診療材料の管理
当院では、診療材料は種類別に籠などを使用して収納しています。きれいに収納することで欲しいものがすぐに見つけられるだけでなく、過去に在庫数を表示することで重複請求がわかりやすくなり、在庫の抱えすぎを防ぐことができます。
【救急外来】注射針・サージカルテープの管理
注射針の管理
注射針は、針の太さを数字と色で識別できるようになっています。
これを利用して、色のついた部分が見えるように向きを揃えて並べるだけでとてもわかりやすくなります。
サージカルテープの管理
当院ではサージカルテープテープカッターに設置しています。
こうすると、片手でガーゼを抑えている場合でもハサミを使用することなく、必要な長さにカットすることができるんです。
その他の物品について
救急外来は検査や入院など、患者の移送が非常に多いため物品紛失が多い部署だと考えます。
当院では、救急外来の時にオレンジ色のテープを用いて部署名を表示しています。そうすることで他部署に置き忘れてもすぐに救急外来の物品だってことが分かります。
【潜在看護師向け救急外来】患者の所持品

私が救急外来勤務だった頃は、患者の所持品を少量ベッドの下に置き所持品は患者と共に移動することとしていました。
しかし所持品が多い場合や交通外傷などの患者では、しばしばヘルメットなどの大きな所持品があったりして、ベッドの下に全て収納できないんです。
さらに所持品を少量ベッドの下に収納したままベッドを下げると、所持品が破損してしまう危険性もありました。
このような経緯から、現在ではキャスター付きの脱衣カゴを所持品置き場として利用しています。
当院では検査・治療のために患者の身体から外した所持品は、ダブルチェックをしながら記録に残します。
また入院や帰宅時などに伴い、患者家族に所持品を返却する際にも記録した物品が全て揃っていることを看護師2人でダブルチェックします。
さらに記録用紙に確認した者がサインをしてから返却します。
所持品の保管については半透明の袋に入れています。これは検査などで下着を外す機会が多いので袋の中身が分かりにくいようにするためです。
所持品を入れた袋には、必ず患者の氏名を記入します。
所持品を半透明の袋に入れるもう一つの理由として、
とスタッフに意識づけることとなり、ゴミ等と間違えて処分してしまう危険性が低くなるからです。
【潜在看護師向け救急外来】物品数チェック・始業前点検
救急カートは、病院内で薬品や物品の定数配置が統一されていることと思います。
設置されている場所を覚えることにより、急変時に探しまわることなくすぐに準備することができます。
すべての物品が補充されているかだけでなく、常に使用できる状態なのか次の項目について始業前点検を行うことが非常に重要となります。
【チェック項目(一例)】
- 救急カートの物品チェック
- 車両室の物品数チェック
- バックバルブマスクの点検
- 除細動器の点検
- 人工呼吸器基本設定の確認及び始業前点検
- 鍵付き管理薬品子のチェック冷蔵庫温度のチェック
- 当院の始業前点検では上記の項目について、勤務開始前に必ず確認しています。
- 救急カート以外の160もの物品が全て揃っているのか勤務前ごとに確認しています。
- 不要物品があれば前勤務者が捜索し、不要物品の追跡を行います。
- また、患者への貸し出し物品については、週に1度のチェックの機会を設けています。
点検日の勤務者が現在貸し出されている物品の返却状況を確認します。
まだ貸し出されている状態の物品に関しては、貸し出した患者がその後一般外来を受診しているのか、他部署で返却しているような事は無いのかを電子カルテチェックしています。
救急外来と環境整備・物品管理の重要性

救急隊からの電話の情報から実際の搬入までの間にも、患者の状態は刻々と変化しています。
したがって、電話の情報だけで「軽症」と思い込んで準備を怠ってはいけません。
「電話の情報と患者の重症度にはギャップがある」ことを常に念頭におくことが重要です。
しかし、すべての患者にあらゆる物を準備する必要があるとは限りません。
受け入れ準備は、
- 症状に合わせる事
- いつでも急変に対応できるようにすること
が基本であり重要なことです。
救急外来の環境整備品管理は、患者の安全、迅速かつ確実な対応を行うために重要であることを、スタッフ全員が理解して取り組むことが大切です。
まとめ:【潜在看護師向け救急外来】環境整備と物品管理
この記事では、
環境整備と物品管理
救急外来における環境整備のコツ
救急外来における物品管理のコツ
救急外来における患者の所持品
救急外来における物品数・始業前点検
に分けて救急外来における環境整備と物品管理についてまとめました。
この記事で書いた内容は、実際に私が経験してきたことをまとめています。
細心の注意を払っておりますが、施設によってのちがいや最新情報が網羅されていない場合があるかもしれません。
したがって、“引用”に関しては必ず事前連絡を『お問い合わせ』より一報ください。
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