老若男女みんなでできる【手指衛生】の方法を教えます。
- 「えっ!? そんな方法なんてあるの?」
って思った方もいるかもしれませんね。
おじいちゃんおばあちゃんからお子様までみんなでできる手指衛生の方法とは、
【CDCガイドラインに基づいた標準予防策】のことです。
医療従事者の方ならもちろん知っているでしょうし、そうじゃない方でもテレビで頻繁にCDCとよく耳にするんじゃないでしょうか。
CDC
【概要】 米国保健福祉省の機関で、「防疫センター」あるいは「疾病管理予防センター」である。ジョージア州アトランタ市に本部がある。扱っている領域は、先天異常、身体障害、疾病、救急制度、環境、遺伝、健康プロモーション、暴行傷害、旅行者の健康、ワクチン、職場環境など幅広い。CDCから出される文書に「こう勧告されている」と言うと皆が納得するほど、その時点で十分な検討が加えられたものであり、世界共通ルールとみなされるほどの影響力がある。アメリカ国内外の感染症の研究・管理・予防に力を発揮し、エボラ出血熱やエイズの発見で名高い。職員数2000名を越えるという。
現時点では日本の疾病管理についても、このCDCガイドラインをもとに医療が行われています。
この記事では、標準予防策に基づいて【手指衛生】の意義や効果、そして具体的な方法を写真付きでお伝えいたします。
CDCとか標準予防策なんて表現を使うと、なんだか堅苦しくて難しく感じるんじゃないでしょうか。
だから最初に僕は、老若男女おじいちゃんおばあちゃんからお子様までみんな一緒にできるってお伝えしました。
実はこの標準予防策に基づいた手指衛生なんですが、ほとんどの人が見たり聞いたり実際に行ったりしたことがあるんじゃないかなと思っています。
標準予防策とは読んで字のごとく、1人ひとりが勝手な方法で行うのではなく誰もが同じ方法で手指衛生を行い、そしてそれが感染対策に効果があると言うものです。
ほとんどの皆さんが「そんなの知ってるわ」って思うはずです。
ですが読んで「わかった」「知っている」ではなく、実践し続けて「効果を感じる」ことが重要なんですよね。
この標準予防策の手指衛生は、大人よりも明らかに子供たちの方がしっかりと、一生懸命に、取り組んでいるように思います。
- 大人のみんな!「頭でっかち」や「時間がないねん」という考えは捨てましょう。
- 新型コロナウイルスに負けないためにも、他より優先して手指衛生に取り組みましょう!
僕も認定看護師として、自分自身を守りながら、プロとして患者さんやご家族をいつもどおり全力でお守りします。
みなさんも1人ひとりで対策できる標準予防策を毎日やりつづけませんか?
CDCガイドラインに基づいた標準予防策(スタンダード・プリコーション)
CDCガイドラインに基づいた標準予防策を、医療従事者以外のみなさまにもわかるようにお伝えします。
所々、医療者にむけた書き方で難しく感じることもあるかもしれませんが、そこは許してね。
この記事は前述のとおり、CDCのガイドラインに基づいたうえで、できる限り平易な(くだけた)表現で書いていきます。
標準予防策はすべての感染症に共通に適用される予防策です。
どうぞこの機会に、あなたも、ご家族も、根拠ある理由や方法を知ることで安心材料にしてください。
また読むだけではなく、必ず実践することを約束してくださいね。
じゃないと意味ないから・・・。
【標準予防策】感染予防の基本となるもの
1.手洗い
血液、体液、傷のある皮膚や粘膜にふれた後は、必ず「手洗い」を行ってください。
医療従事者の方はとくに、『一処置一手洗い』を徹底してください。
水道の流水下で液体石鹸を用いて、意識的に10秒以上こすり洗いをし、ペーパータオルで拭い、最後にそのペーパータオルで水道栓をしめます。
水道のない場所では、速乾性擦式アルコール製剤を正しく用いましょう。(方法は後述します)
2.手袋
医療従事者は必ず下記の場合は手袋を着用してくださいね。
- 血液、体液、傷のある皮膚や粘膜にふれる場合
- 『交差感染』を防止するため、「包帯交換、おむつ交換、汚物処理」をする場合
「手洗い」と「手袋」を合わせると、血液、体液、傷のある皮膚や粘膜にふれる可能性のあるときはまず第一に『手洗い』をしてから『手袋』を着用して処置します。
そして処置後にもう一度手洗いをする。ここまでが必須となります。
さらに「手袋を外したあとも必ず手洗いをする」ということをセットで習慣づけましょうね。
【標準予防策】手指衛生
☆手の衛生
あるデータによると、「日本人の約1/3は、トイレ後にまったく手を洗わない」といわれます。
僕たちはこういった文化で育ってきているので、手洗いの励行(努力してそうすること)については「努力しなければ手洗いをできない人がいるんだ」ということを認識しておく必要があります。
【病院内や自宅へ帰ったときは、何より先に手を洗うべきである】
- 流水での手洗いと、アルコールをベースとした速乾式手指消毒薬は、同等の効果があると考えてOKです。
- とはいえやはり、血液、体液、傷のある皮膚や粘膜にふれた後は、必ず「手洗い」を行ってください。
手洗い最強!!!
☆流水による手洗いの方法
- 手洗い前に、爪を短くしてあるか確認してください
- 時計や指輪ははずしておくこと
- 手洗いの手順は、下の図を参照してください

☆速乾式擦式アルコール手指消毒液の使用方法
- 手洗い前に、爪を短くしてあるか確認してください
- 時計や指輪ははずしておくこと
- 手洗いの手順は、下の図を参照してください
- 手の表面、特に指先や指間にまんべんなく擦り込むことが重要です。
必要な液量は【約3ml】で、これはピストンを2〜3回押して出てくる量なので、必ず覚えておいてくださいね。 - 擦り込んで、乾燥するまで摩擦してください(めんどくさくなって途中でやめないように)
- 手の表面に有機物(血液や喀痰など…)が付着した場合は、必ず流水石鹸手洗いを行うこと!

流水下の手洗いがなにより大切です
経路別予防策(医療者用)
☆感染経路
院内の感染経路には
- 「接触感染」
- 「飛沫感染」
- 「空気感染」
の3つが重要である。
☆接触感染
- 患者への直接接触(例えば体位変換、入浴介助、その他身体に直接接触するケア。
- あるいは間接接触(汚染ガーゼ、器具、おしめなどを触る)によっておこる。
☆飛沫感染
- 咳、くしゃみ、近距離での会話、その他気管吸引、気管支鏡などのしゅぎによっておこる。
- 感染者の飛沫が他社の結膜、鼻粘膜、口腔に付着することで感染するが、飛沫は数秒以内に床に落下(飛散距離約1m)するため、特に空調や換気は必要ない。
- 病原体が飛沫核または粉塵粒子の形で長時間空気中を浮遊するため、室内はもちろん、空気の流れによっては遠く離れていても、微生物を吸入して感染がおこる。
☆空気感染
- 病原体が飛沫核または粉塵粒子の形で長時間空気中を浮遊するため、室内はもちろん、空気の流れによっては遠く離れていても、微生物を吸入して感染がおこる。
【標準予防策】まとめ
- 院内感染の多くは接触感染の形で伝播し、接触感染の大半は手洗いで予防しうる。
- 院内感染対策の成否は大部分が、手洗い(+手袋)を徹底できるかにかかっている。
触った後はすぐに徹底的に手洗いをする。
身体だけでなく血液、体液、分泌物、排泄物、それらに汚染された器具を触った場合も同じである。
- 職員自身を感染から守る→血液を介して感染する疾患を想定している場合は必須である
- 職員の手から病原体を患者に感染させない(職員が保菌者である場合)
- 患者から患者への感染を媒介しない
「1人に触った後手袋を外して手洗い」
「その後新しい手袋をはめて次の人に触る」
と言う手順を全員が必ず守りましょう。
- 手袋は手洗いの代わりにはならないからね!
- 手洗いと手袋着用を併用することではじめて、有効に接触感染を防止できるんです
むずかしいことはなにもありません!
読み終えたらすぐに、手洗いしましょう!
